Reise nach Verdheim
そこは、夕暮れが
永遠に続く国だった。
Ambersee
湖面が、燃えていた。
いや、燃えているように見えただけだ。
沈まない夕日が水面に溶け、
古代の琥珀のような色に染まっている。
地元の人々は、この湖には記憶が沈んでいると言う。
忘れたいことも、忘れたくないことも、すべて。
Sternwarte
かつて、ここで星を読む者たちがいた。
今は苔に覆われた廃墟だが、
夜になるとオーロラが塔を包み込む。
まるで、まだ誰かが見上げているかのように。
私は階段を上った。
最上階には、古い望遠鏡が残されていた。
レンズの向こうに何が見えるのか、
覗く勇気は、まだない。
Nebelmarkt
朝霧が最も濃い時刻にだけ、市場は現れる。
売られているのは、夢の欠片、
忘れられた言葉、誰かの思い出。
通貨は存在しない。
欲しいものがあれば、代わりに何かを手放す。
私は何を差し出したのか、もう覚えていない。
Königswald
この国には、最後の王がいたという。
王は森の奥深くで眠りにつき、
国もまた、ゆっくりと眠りに落ちていった。
それが、永遠の黄昏の始まりだった。
森の中心には、苔むした玉座がある。
誰もそこには座らない。
座れば、この国の夢が終わってしまうから。
TRAVELER'S NOTE
「この国では、時間は円を描いている。
始まりと終わりは同じ場所にある。」
——無名の旅人の手記より
「私は帰り道を探していた。
しかしこの国には、帰る場所などなかった。
ここが、すでに帰る場所だったのだ。」
——無名の旅人の手記より
「夢を見ているのか、現実なのか。
その問いに、もはや意味はない。
ここでは、すべてが等しく真実だから。」
——無名の旅人の手記より